「高橋是清翁記念公園のライトアップ」に行ってみた
すっかり秋らしい気候になった11月。青山の銀杏並木には多くの観光客が押し寄せており、にぎわいを見せていた。青山だけでなく、赤坂でも紅葉を楽しむイベントが開催されていたのをご存知だろうか。「高橋是清翁記念公園のライトアップ」だ。赤坂7丁目にある高橋是清翁記念公園は、第20代内閣総理大臣だった高橋是清の邸宅跡地に整備された公園で自然豊かな日本庭園スポットだ。ライトアップは、11月20日より23日(金・祝)まで開催され、地元の人々を楽しませていた。
開催時期は、モミジやカエデ、ツツジなどの木々が紅葉を迎えており、彩り豊かな灯で幻想的な雰囲気を作っていた。このライトアップを手がけたのは、公園の隣に本部を構える「いけばな草月流」。1927年に初代家元勅使河原蒼風によって創流されたそうで、その特徴は、自由で前衛的な作風だという。公園内のライトアップを見ても確かにアバンギャルドと言える内容で、広い公園内に見応えのあるライトアップ作品が数多く展示されていた。
とはいえ、生け花にさほど興味もない筆者の好奇心は、都内にこれだけの広さの邸宅を構えていた高橋是清という人物に向く。首相だったとか、大蔵大臣だったとか、二・二六事件で暗殺されたとか程度の知識しかない。改めて調べてみると波乱万丈な生き方に驚かされる。十代の頃に勝海舟の息子とアメリカに留学するも奴隷として売り飛ばされ、苦労して帰国した後には文部省に入省し官僚として華々しいキャリアを歩むかと思えば、相場詐欺で貯金を失ったり、鉱山開発の詐欺に引っかかり全財産を失ったりと苦労しかしていない。
だがその経済政策の手腕は確かなものだったようで、当時の国家予算の60年分という日露戦争の途方もない戦費を外国から調達したり、昭和の金融恐慌では破産寸前の日本経済を立て直したり、世界恐慌により混乱する日本経済をデフレから世界最速で脱出させたり、とその功績は数多くある。
最近では安倍首相と麻生財務大臣がその経済政策をお手本にしているのだとか。まさに偉人と呼ぶに相応しい人物だ。そんな高橋是清が壮絶な最後を迎えた私邸の跡地が、「高橋是清翁記念公園」。ライトアップは終わってしまったが、ぜひ自然豊かな高橋是清翁記念公園に行ってみてほしい。
※本記事は赤坂在住在勤ライターのA氏が執筆しました。
イベント情報
場所 高橋是清翁記念公園
時期 2018年11月20日・21日・22日・23日
ホームページ http://www.akasaka-parks.jp/
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