赤坂で夜にお神輿を担いでみた
東京都内でも有数のオフィス街である赤坂。数年前に僕がこの街の企業に勤め始めた頃は、お祭りなどとは無縁の土地だと思っていた。しかし残業中に半纏姿の方を見かけたことがあることはあった。特別な団体の方かと思い気にも留めなかったが、友人に話すと「お前も担げよ」と赤坂氷川祭に担ぎ手として誘われた。実は割と知られたお祭りだという。これは一見の価値がありそうだ、と参加することにしてみた。注意深く街を見ているとあちこちにポスターが貼られている。なぜ今まで気づかなかったのだろう?
平日の金曜日の夜にお神輿が赤坂の街を練り歩くという「宵宮渡御(よいみやとぎょ)」。実際に参加するためには、神輿衣装が必要だ。鯉口シャツ、地下足袋、股引。これらを前日まで実家に取りにいき、当日の夕方に半纏を借りる。元来、神輿好きな僕。生まれ育った街では毎年の神輿を楽しみに育った。その日は会社を少し早めに早退して、神輿衣装に着替える。気合いが入ってきた。さっそく開始場所である一ツ木通りに向かう。30分前には大勢の半纏姿の人が一ツ木通りを埋め尽くしていた。江戸時代の服装の大勢の人が、平成の大都会を歩く姿は摩訶不思議な光景だ。
宵宮渡御では、2基の神輿が出される。出発式でお神酒がふるまわれる出発式で司会をしていた綺麗な女性は、TBSでアナウンサーだった槙あやなさん(現在はフリーで活躍中)だ。神輿道中の休憩場所で、多くの人が一緒に写真を撮ってもらっていたが、シャイな僕は切り出せずに撮ってもらえなかったことが今回のお祭りでの最大の失敗。
2基の神輿の前にそれぞれ男性が立つ。元気な掛け声とともに三三七拍子で拍子木が打たれる。と同時に神輿が威勢良く上がる。「セイヤっ!」という掛け声に迫力が籠っている。上品な街だとばかり思っていたが、赤坂は実は下町の要素もあるようだ。一ツ木通りから青山通りへ、そして赤坂見附駅前へ。ここで休憩。わずかな距離なのに既に汗だく。気づけば担ぎ始めて30分以上経過していた。ここから1基目のお神輿は女の方だけで担ぐという。周囲を見渡すと女性もとても多い。その内、「神輿女子」などと呼ばれる女性が誕生するかもしれない。華やかな街で華やかなお神輿。こんなとこも赤坂らしいかも。
6時から担ぎ始めてすでに2時間。8時を回ったころだろうか。普段はタクシーで渋滞している赤坂通りに入っていく。なんと交通量の多い赤坂通りを完全に通行止めにしている。赤坂のネオン街を背景に我が物顔でお神輿が通る姿は一見の価値がある。それを意識してかどうかはわからないが、神輿は一層盛り上がる。赤坂通りの途中にある交番の前で神輿は最高潮に盛り上がり終了。危なかった。これ以上担いだら肩が壊れてしまうところだった。身体中が悲鳴をあげるほど疲れたが、気持ちのよい疲れだ。この日のビールが五臓六腑に染み渡ったことは伝えるまでもないだろう。また来年もぜひこのお祭りに参加したい。
※本記事は赤坂在勤ライターAが執筆しました
イベント情報
場所 赤坂一ツ木通り
住所 東京都港区赤坂3-17-8 周辺
時期 2019年9月13日(金)
ホームページ 赤坂氷川連ホームページ
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