空腹時に嬉しい、野菜もたっぷりなコッテリラーメン、山王家の青菜らーめん
※残念ながら、2018年7月に閉店しました
賑やかな「田町・エスプラナード通り」。外堀通り側へ一本奥に入った通りを「裏田町通り」と赤坂界隈の人々は呼んでいる。賑やかな通りではないが、隠れた名店が多いグルメな通りだ。その通りの端、赤坂通りにほど近い一角に家系ラーメンの「山王家」は店を構えている。以前に紹介した「鮨兆」からもほど近い。そもそも家系ラーメンとは、神奈川県の横浜発祥のラーメン。豚骨醤油ベースで太いストレート麺を特徴としており、屋号に「〜家」とついているところが多かったところから、家系と呼ばれるようになったらしい。コッテリとした豚骨醤油スープに食べ応えのある太い麺という特徴から、ユーザーは大食漢が多く、昨今のラーメンブームの一翼をを支えるラーメンだ。赤坂に店を構える「山王家」も、家系ラーメンの伝統をしっかりと受け継いだ名店。お上品なお店が多い赤坂においては、家系ラーメンにしては、あっさり気味だが、際立ったボリュームで、100点満点どころか、120点、いや150点と言えるほどの満腹感が味わえるのだ。
また山王家は、家系ラーメン界でも冒険的なチャレンジを繰り返しており、カレーらーめんやキャベツらーめん、さらには期間限定のラーメンなど、様々なユニークなラーメンを提供している。中でも筆者がお勧めしたいのが、「青菜らーめん」だ。「百聞は一見にしかず」というが、上記の画像を見ればわかるように、麺が見えないほどのほうれん草は、野菜不足の現代人の悩みを一発で解決してくれるほどの量がある。決して広げてこう見せている訳ではない。自然とこうなるほどのほうれん草のボリュームなのだ。そんな特徴的なラーメンも名物ではあるが、店主のキャラクターとラーメンに対する愛情も名物だと、筆者は確信している。筆者はその味に惚れて、幾度となく足を運んでいるうちに店主と顔見知りになり、閉店後には共に赤坂の町で飲むこともある。その際にはおいしさを求めて、他店へラーメンの研究にいくことも少なくないのだ。真剣にらーめんに取り組み、他ではちょっとお目にかかれないらーめんを生み出しているのだ。
話は青菜らーめんに戻るが、ほうれん草の下には、もちろんチャーシューなども具材も入っている。麺、チャーシュー、海苔、そしてほうれん草を一緒にクチに運ぶ。このハーモニーは山王家ならではの味わい。一見すると多すぎるように見えるほうれん草と海苔だが、ほろほろに煮込まれたチャーシューの旨味と太麺の食べ応えによく合い、バランスが悪いということは決してない。一緒に箸でつかむか、レンゲに乗せて食べるかは、個々人の好みではあるが、これらの食材が生み出すハーモニーは最高の味わいだと筆者は感じている。
そして忘れてはならないのが、味付たまごのトッピングだ。しっかりとした味のついた卵がとろーりとした状態で出てくる。らーめんの途中で食べれば良いアクセントを生み出し、麺を完食後に食べれば、ある種のデザートのような喜びをくれる。ちなみに筆者はこの日はデザートとして楽しませていただいた。通し営業なのでランチタイムを過ぎていても食べられ、また昼からビールも提供してくれる。そして野菜不足も解消できるこの味をぜひ味わってみてほしい。
※本記事は赤坂在勤在住のライターA(30代独身)が執筆しました。
お店情報
店名 山王家
TEL 03-3589-2200
住所 東京都港区赤坂3-6-12 山翠会館101
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